アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」15 大久保ゆう訳
文化審議会文化政策部会「文化芸術の振興に関する基本的な方針の見直しについて(中間まとめ)」に対する意見募集について

2006年08月12日

 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」16 大久保ゆう訳

16

 そんなわけで、ななつめの星は、ちきゅうだった。

 このちきゅうというのは、どこにでもある星なんかじゃない! かぞえてみると、王さまが(もちろん黒いかおの王さまも入れて)一一一にん、ちりのはかせが七〇〇〇にん、しごとにんげんが九〇まんにん、のんだくれが七五〇まんにん、みえっぱりが三おく一一〇〇まんにんで、あわせてだいたい二〇おくのおとなのひとがいる。

 ちきゅうの大きさをわかりやすくする、こんな話がある。電気がつかわれるまでは、むっつの大りくひっくるめて、なんと四六まん二五一一にんもの、おおぜいのあかりつけがいなきゃならなかった。

 とおくからながめると、うわあすごいって、おもうはず。このおおぜいのうごきは、バレエのダンサーみたいに、きちっきちっとしていた。まずはニュージーランドとオーストラリアのあかりつけの出ばんが来る。そこでじぶんのランプをつけると、このひとたちはねむりにつく。するとつぎは中国とシベリアのばんが来て、このうごきにくわわって、おわると、うらにひっこむ。それからロシアとインドのあかりつけのばんになる。つぎはアフリカとヨーロッパ。それから南アメリカ、それから北アメリカ。しかも、このひとたちは、じぶんの出るじゅんを、ぜったいまちがえない。

 でも、北きょくにひとつだけ、南きょくにもひとつだけ、あかりがあるんだけど、このふたりのあかりつけは、のんべんだらりとしたまい日をおくっていた。だって、一年に二回はたらくだけでいいんだから。

★この文章を書いた人→大久保ゆう★こんな時間に→2006年08月12日 11:24 ★トラックバック
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