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ねえ、王子くん。こんなふうに、ちょっとずつわかってきたんだ。きみがさみしく、ささやかに生きてきたって。ずっときみには、おだやかな夕ぐれしか、いやされるものがなかった。このことをはじめて知ったのは、四日めのあさ、そのとき、きみはぼくにいった。
「夕ぐれが大すきなんだ。夕ぐれを見にいこう……」
「でも、またなきゃ……」
「なにをまつの?」
「夕ぐれをまつんだよ。」
とてもびっくりしてから、きみはじぶんをわらったのかな。こういったよね。
「てっきりまだ、ぼくんちだとおもってた!」
なるほど。ごぞんじのとおり、アメリカでまひるのときは、フランスでは夕ぐれ。だからあっというまにフランスへいけたら、夕ぐれが見られるってことになる。でもあいにく、フランスはめちゃくちゃとおい。だけど、きみの星では、てくてくとイスをもってあるけば、それでいい。そうやってきみは、いつでも見たいときに、くれゆくお日さまを見ていたんだ。
「一日に、四四回も夕ぐれを見たことがあるよ!」
といった少しあとに、きみはこうつけくわえた。
「そうなんだ……ひとはすっごくせつなくなると、夕ぐれがこいしくなるんだ……」
「その四四回ながめた日は、じゃあすっごくせつなかったの?」
だけどこの王子くんは、へんじをなさらなかった。
★この文章を書いた人→大久保ゆう★こんな時間に→2006年06月22日 13:22 ★トラックバック