記念撮影
「空色通信」開始の告知

2005年12月01日

 空色通信 2005年11月号

2005年11月は、53作品のファイルが公開された。主なニュースとしては「青空文庫本」の出版がある。

【主なニュース】
青空文庫の本が出版された(詳しくはこちら)。これで、青空文庫のことを知る人が増えてくれるといいなあ、と思う。

【公開作品】
 2005年11月には、53作品のファイルが公開された。

 もっとも多くの作品が公開されたのは岸田国士で、19作品(俳優の素質俳優養成と人材発見端役稽古雑感兵営と文学求貸家せりふ最もよく系統づけられた戯曲叢書練習曲新劇界の分野新劇協会の更生について新劇自活の道新劇運動の二つの道新劇協会公演に先だつて新劇の危機新国劇の「屋上庭園」を観て大正風俗考「ゼンマイの戯れ」に就て「ゼンマイの戯れ」に就いて)。「岸田國士全集 20」に収録された大正末から昭和初期の随筆である。私のお気に入りは「端役」。

 北村透谷は、8作品(各人心宮内の秘宮客居偶録鬼心非鬼心 (実聞)秋窓雑記主のつとめ心機妙変を論ず他界に対する観念三日幻境)公開された。バラエティに富んだ作品群である。これで北村透谷は32作品が公開されたことになる(一覧はこちら)。

 泉鏡花は、新字新仮名/旧字旧仮名の重複を含むが、6作品公開された(旅僧雪の翼雪霊記事(旧字旧仮名)雪霊記事(新字新仮名)雪霊続記(旧字旧仮名)雪霊続記(新字新仮名))。旧字旧仮名の「鏡花全集」底本のファイルが4つある。総ルビなのでxhtmlファイルがすごいことになっているが、Azurなどの縦書きブラウザで総ルビの鏡花を味わってほしい。「雪霊記事」「雪霊続記」は新字新仮名と旧字旧仮名の二つのファイルが公開されている。出来れば読み比べてみてほしい。

 変ったところでは、「鏡花全集」の付録冊子から、水上滝太郎「覚書」宮崎湖処子「泉鏡花作『外科室』」が公開されている。「泉鏡花作『外科室』」は新人作家としての泉鏡花への批評であり、「覚書」は鏡花への追悼文である。宮崎湖処子「泉鏡花作『外科室』」は、種々の傍点を駆使したテキストなので、出来ればAzurなどの傍点の違いを表示出来るブラウザで読んでほしい。

 島田清次郎は今回の公開作品が初登録である(「若芽」)。悲劇の作家、島田清次郎についてはリンク先などを参照。他にも大作が未着手である。公開作品に刺戟されて、入力してくれる人が現れることを望む。

 推理小説として、エドガー・アラン・ポー(佐々木直次郎訳)が2作品(メールストロムの旋渦ウィリアム・ウィルスン)、甲賀三郎が4作品(青服の男蜘蛛琥珀のパイプ黄鳥の嘆き)、公開されている。ポーは、ゴシックノベルという方が正しいかもしれない。

 他には、森鴎外が5作品(普請中文づかいなかじきり空車)、太宰治が3作品(佳日I can speak灯籠)、菊池寛が1作品(島原心中)、三遊亭円朝が1作品(松と藤芸妓の替紋)、鈴木三重吉が1作品(千鳥)、公開されている。円朝の語り口は、やはりさっぱりとしていてよい。

 来月の公開予定には、初登録の仁科芳雄の名前がある。他にもダンテ「神曲」などの大作もあるようだ。5000作品も近いので、今年の締めくくりの青空文庫を楽しみして、この記事を終わることにする。

 最後になりましたが、入力してくださった方々、校正してくださった方々に感謝いたします。また、みなさんのお気に入りを、コメント欄で紹介してもらえると、うれしいです。

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★この文章を書いた人→門田裕志★こんな時間に→2005年12月01日 22:36 ★トラックバック
 コメント

「泉鏡花作『外科室』」は、傍点がやたらと多いので、面倒になって飛ばして送ったのを入れ直していただきました。ありがとうございます。お手数かけてすみませんでした。
雪霊記事・雪霊続記は、私と門田さんでタスキ掛けで入力校正したのですが、打合せをしたわけでもないのに、校正申し込みが同じ日でびっくり。門田さん、鏡花の入力の方も、ぼちぼちとお願いしますね。

これで見ると、私は21作品の入力校正に関わりましたが、中でもお気に入りは太宰の「燈籠」。太宰の女性一人称小説は絶品です。外れがない。「きりぎりす」が校了になってますが、これもおもしろい!

クリスマスはアンデルセン「雪の女王」が公開ですか。NHKアニメも放送中で、タイムリーですね。

Posted by: 土屋隆 at 2005年12月02日 00:34

土屋さん、コメントをありがとうございます。校正の方で手一杯で、入力が進んでおりませんでした。校正も一段落しそうなので、鏡花の入力にも取りかかります。もうしばらくお待ちを。(そろそろ取りかからないと土屋さんに目覚ましされてしまうなあー、と思っておりました)

Posted by: 門田 at 2005年12月02日 02:53

>変ったところでは、「鏡花全集」の付録冊子から、水上滝太郎「覚書」、宮崎湖処子「泉鏡花作『外科室』」が公開されている。「泉鏡花作『外科室』」は新人作家としての泉鏡花への批評であり、「覚書」は鏡花への追悼文である

あの厳しい宮崎湖処子が、新進作家に温かい眼差しが感じられますね。
水上滝太郎の「覚書」は、褒めすぎ・・といいたいところですが、滝太郎という人は、谷崎といい、鏡花といい、耽美的な作家に惹かれる人なのですねえ・・

島清こと島田清次郎の「若芽」は初めて読みました。彼を有名にした「地上」は映画にもなったはずです。リンク先にもかいてありますが、同郷の故杉森久英さんの「天才と狂気の間」だったか??直木賞を取った作品に島清のことが詳しく書かれています。
「島清恋愛文学賞」というのが、島清の地元金沢にあるらしいですよ。

Posted by: ten at 2005年12月02日 09:58

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